文化・歴史資料の保存・共有
360度メディアは、文化・歴史資料の保存や共有に活用することができます。例えば、ある建物や遺跡が取り壊される可能性がある場合、360度メディアアーカイブを作成することで、その建物や遺跡の姿を後世に残していくことが可能です。また、大学・研究機関で保管されている貴重な文化・歴史資料を360度メディアとして公開することで、広く一般の人々にも、その価値を知ってもらうことができます。
フィールドリサーチにおいては、研究者が現地で観察や記録を行いますが、360度カメラを使って現地の風景や環境を撮影することで、後に詳細な観察や分析を行うことが可能となります。例えば、いつ、どこで起こるかわからない自然現象の記録や動物の観察、建物全体の構造の把握などは、周囲の情報を余すことなく収めることができる360度カメラでの撮影・記録が向いています。記憶や2Dカメラのフレームの限界を超えて情報を再現し、より正確な研究結果を得ることができます。
データの長期保存と再利用
フィールドリサーチでは、日々多くのデータが生成されていきます。そういったデータは後に再利用される可能性が大いにあるといえます。360度メディアを用いたアーカイブは、長期的なデータ保存の手段として役立ちます。写真や文章ではなく、映像として残すことで、動きのあるものや音も含めて多くの情報を保存し、現地の映像や状況を360度の映像で記録することで、将来の研究や再分析に活用することも期待できます。